雑種猫は純血種と違って、その毛色は実にさまざまです。
同じ系統の毛色でも個体によってまったく同じ模様はなく、猫好きの中には「雑種猫のほうが好き」と言う人も多いのではないでしょうか。
そんな雑種猫の毛色の種類から性格、お迎えの仕方まで説明していきます。
雑種猫の種類と性格
雑種猫にはその代表格である三毛猫をはじめ、キジトラ、サバトラなど多くの種類に分類できます。
その柄によってある程度、性格にもそれぞれ傾向がある様です。
三毛猫
三毛猫は日本特有の柄のひとつです。白、茶、黒の3色が絡み合った毛並みで、性格は賢い子が多く、飼育しやすい種と言えます。
キジトラ猫
鳥の雉(キジ)の羽の模様に似ていることからこの呼び名がつけられました。
キジトラ柄は猫の原種の血を濃く残していて、日本の猫で一番多い柄とも言われています。
そのため性格は警戒心が強かったり、少々わんぱくな子が多い傾向にあるようです。
サバトラ猫
銀色にも見える灰色と黒の縞模様で、魚の鯖の模様に似ていることから日本ではこう呼ばれています。
英語では「シルバータビー」と呼びます。
キジトラから交配されて生まれたと言われるサバトラの性格は、比較的穏やかな子が多いようです。
茶トラ猫
オレンジがかった明るめの茶色の縞模様。
見た目にも温かい印象を受ける茶トラは、広告やCMなどでも目にすることも多く、猫に詳しくない人でも一度くらいはこの柄を見たことがあるのではないでしょうか。
茶トラはオスのほうが多く、メスの割合は1〜2割ほどと言われています。
性格は穏やかで人懐っこい子が多く、食欲も旺盛で体が大きくなる傾向が高いようです。
茶トラ猫をお迎えするときには、食事管理に気をつけてあげてください。
黒猫
全身を黒い毛で覆われた黒猫はその昔、中世の西洋では「魔女の使い」として迫害を受けていた時期もありました。
少し前の日本でも、黒猫は不吉の前ぶれのように捉えられていましたが、ファンタジー要素溢れるアニメや映画でたびたび登場する黒猫は、今では愛着のある柄の一つになったのではないでしょうか。
そのミステリアスな雰囲気とは違ってとても人懐っこく、賢い子が多いようです。
白猫
美しい白一色の毛並みに包まれた白猫は、警戒心が強い子が多いようです。
その理由で考えられるのは、「白」とは自然界でとても目立つ色だから。天敵から身を隠す習性から、なかなか他の人に心を許さないことが多いようです。
だけどその反面、心を許した人にはとことん甘えたりと、飼い主さんにしか分からない表情が楽しめる種だと思います。
サビ猫
サビ猫の「サビ」とは鉄などが劣化するときに浮き上がる「錆び」を指し、黒い毛と茶色い毛が複雑に入り混じった模様のことです。
二色が不規則に絡み合うこの柄は、その呼び名は残念ですが、ある程度綺麗に整えられたトラ柄や単色柄と違って、柄のバリエーションは無限大。
まったく同じ柄は、2匹といないのではないでしょうか。
性格はややワイルドに見えるその風貌とは違い、優しく賢い子が多いようです。
ちなみにサビ猫は、三毛猫と同じく染色体がメス優位で、オスはほぼいないという特徴を持っています。
雑種猫は寿命が長いというのは本当?
アメリカンショートヘアーやメインクーンなどの純血種は、その特徴を残すために人的に交配を繰り返してきた種類です。
古くから近親交配で作られた個体は、遺伝子疾患を持っている可能性もあります。
その点雑種猫は遺伝子疾患のリスクが少なく、純血種より長生きする傾向にあるようです。
雑種猫を迎えるには?
一番おすすめなのは、保護猫と呼ばれる猫をお迎えすることです。
保護猫とはいろいろな理由から行き場の失った猫たちのことで雑種猫も多くいます。
本当に心が痛むことですが、毎年何万匹の猫たちが、殺処分という悲しい末路を辿っています。
保護猫は各自治体の動物愛護センターから情報を調べることができます。飼い主になる条件を満たしていれば、譲渡会に足を運び、保護猫を見て触れることもできます。
雑種猫をお迎えするのなら、是非とも「保護猫をお迎えする」という選択肢を考えてください。
一つの大切な命を救うことはもちろんの事ですが、もしかしたらこの先長い月日を共に暮らす運命の子に、出会えるかもしれません。
まとめ
「雑種」という言葉から印象が悪く聞こえがちですが、実際はそんなことはありません。
強い遺伝子を受け継いで体も丈夫、そして毛並みも同じものは二つとない、まさにオンリーワンの猫。
雑種猫には素晴らしい魅力がたくさん詰まっています。
「どんな猫を飼っているの?」と聞かれたとき、「雑種の猫でかわいいよ!」と胸を張って言える、そんな素敵な飼い主さんならお迎えした猫も「この家に来てよかった」と、きっと満足するのではないでしょうか。