「猫の耳の中が真っ黒で汚いけどなぜ?」
「耳掃除ってした方がいいのかな?」
こんな疑問はありませんか?
私たち人間は自らの意思で耳を掃除し、清潔に保つことができます。
しかし猫の場合はそうもいかないので、飼い主である私たちがケアしてあげる必要があります。
ケアしないまま放っておくと、耳のトラブルの原因にもつながる可能性があります。
この記事では猫の耳掃除をテーマに、その必要性や方法について解説します。
これから猫の耳掃除にはじめてチャレンジする方の参考になれば幸いです。
そもそも猫に耳掃除は必要なの?
猫の耳は周囲の状況を判断するためにとても発達しています。
人よりも高音の波長を聞き取ることができ、その情報を敏感に察知するほど、猫の耳は大切な役割を持っています。
もちろん猫でも耳垢は発生しますが、無理に耳掃除を行わなくても大丈夫な仕組みになっています。
私たち人間と同じように、猫にも耳垢を自然に排出する自浄機能が備わっているからです。
こう聞くとやっぱり耳掃除は不要なんじゃないかと思いがちですが、耳掃除の必要性は猫の種類や状態によって変わってきます。
耳をしっかりと立てられる猫の場合は、自浄機能がうまく働いてくれるため自然と綺麗な状態の耳を保てます。
しかし、耳が折れているスコティッシュフォールドなどは、汚れが溜まりやすいため定期的な耳掃除が必要です。
また、中には過去に耳の病気を経験した猫もいるでしょう。
病気の再発を防ぐためにも耳を清潔に保つこと、そして耳の健康状態を確認することは必須と言えます。
耳掃除をしないとどうなる?
人間が耳の掃除を行わないと音が聞き取りにくくなるのと同様に、猫も耳垢が溜まると耳に異常を感じるようになります。
具体的には以下のような症状が現れたら注意が必要です。
●耳を常にかいている
●耳の周囲の毛が抜けている
●耳が腫れている
●頭を振る
猫は耳の内部の違和感に耐えられず、耳を常に気にするようになります。
代表的な耳の病気
代表的な猫の耳の病気には、外耳炎や感染症があります。
外耳炎は耳の入り口から鼓膜の間に炎症ができる病気です。
・耳のかゆみ
・音への反応が鈍くなる
・耳垢の増加
・耳が赤くなる
といった症状が現れます。
少しずつ悪化していくため、症状が長期間続いてしまうケースも少なくありません。
外耳炎の猫は、耳を地面や物に擦り付ける、自分で耳をかくなどの行為が頻繁に見られるため異常を察しやすいでしょう。
また、外耳炎に伴って感染症の危険性もあるので注意です。
耳をかいた際に傷ができ、そこから細菌が入り込んでしまうことで感染症を引き起こしてしまいます。
感染症は外耳炎の二次的な問題と捉えられているため、外耳炎の早期の治療が求められます。
猫の耳掃除の正しいやり方
猫の耳掃除は、なるべくソフトタッチで耳の中を刺激しない方法をとるのがベストです。
質感の柔らかなコットンやガーゼなどを湿らせ、耳の内部を軽く拭きましょう。
仮にコットンやガーゼがなければ、ウェットティッシュなどでも代用できます。
また、洗浄液を利用するのもおすすめです。
猫用の洗浄液は、細菌に対する抗菌作用を備えているものも多く市販されています。
掃除のやり方としては、目視で確認できる範囲を拭き取ってあげるだけでOK。
無理に綿棒で耳の奥まで掃除してしまうと、耳を傷つける原因になってしまいます。
耳の先端を軽く摘んでそっとめくってあげると、耳の内部がよく見えるようになります。
耳の中の汚れが確認できたら、ゆっくりとコットンを乗せた指を耳の中に入れて、そっと撫でるように掃除しましょう。
耳掃除をする頻度は?
耳掃除は1週間〜2週間を目処に耳の状態を確認してから行ってあげましょう。
頻回にすると皮膚を傷つけてしまう恐れがあります。
もちろん、耳垢が目立たなければ無理に掃除を行う必要はありません。
耳掃除をさせてくれない時の対処法
耳掃除に限らず、体を洗ったり爪を切ったりするときに猫はとても嫌がるもの。
また、猫が暴れた際に自身が怪我をしてしまう恐れもあります。
恐怖心があってなかなか耳掃除に踏み出せない人も少なくありません。
このような問題を解決するための対処法として挙げられるのが、耳へのタッチに慣れさせることです。
猫との普段のスキンシップに「耳を撫でること」を取り入れてみましょう。
リラックスしている猫の頭を撫でる際でも、ブラッシングをしてあげている際でも構いません。
猫が耳へのタッチに慣れてくれば、耳掃除にも抵抗なく応じることも。
仮に「嫌がっているな」と感じたら、すぐに耳掃除をやめてあげましょう。
どうしても難しい場合は動物病院へ依頼しよう
耳の内部はデリケートな部分のため、耳へのタッチに慣れている猫でも嫌がることはあります。
そうした場合は無理せずプロに依頼するのも一案です。
動物病院では耳掃除を無料〜1,000円程で行ってくれるところも少なくありません。
かかりつけの動物病院があれば、耳掃除を行ってもらえるかの確認を取ってみましょう。
また、動物病院では動物の毛のカットやシャンプーなどのトリミングを行っている病院もあり、その一環として耳掃除をしてくれる場合もありますよ。
猫のトリミングの場合、料金に関しては猫の毛の長さによるところもありますが、一般的には4,000〜5,000円が相場となっています。
耳の健康をチェックしよう
猫の耳掃除の必要性とやり方について解説しました。
猫を病気から守るためにも、耳の健康は欠かさずにチェックを行っておきたいもの。
耳掃除は単に掃除だけでなく、スキンシップもその役割のひとつです。
耳掃除をされてうっとりとした表情をし、その快感にハマってしまう猫もたくさんいます。
まずは少しずつ耳への刺激に慣れさせていくことから始めてみましょう。