いつもは食欲旺盛な愛猫なのに、急にご飯を食べなくなるなんてことが起こったら、飼い主さんは心配になりますよね。
猫がご飯を食べなくなる理由には、いくつか原因があります。
今回は猫がご飯を食べなくなる原因と、その対処法について考えてみましょう。
猫がご飯を食べない原因①偏食や食べ飽き
猫がご飯を食べない理由は、食事そのものに原因があるケースが多いのではないでしょうか。
まずはフードが原因でご飯を食べなくなった理由を考察してみましょう。
餌の種類に飽きた
最初に疑ってみることは同じフードに食べ飽きたケースでしょう。
人間だって同じメニューの食事を毎日毎日食べていれば、それがどんなに好きなものでもいつしか飽きてしまいます。
それは猫にとっても言えること。
もし同じ種類の食事をあげ続けているのなら、風味や食感がいつもと違うフードに変えて様子を見てみてください。
新しい餌が好みに合っていない
先ほどとは逆に、飼い主さんがあれもこれもとフードを変えすぎて、新しいフードが猫の好みに合っていないのかもしれません。
愛猫のフード選びは飼い主さんにとっても楽しい行事のひとつです。
ですが、あまりフードを変えすぎて、猫の好みを忘れないようにしなければいけません。
新しいフードをあげるときは、その食べっぷりもしっかり観察してください。
他の美味しいものが出てくるのを待っている
先程の理由につながりますが、いくつかフードを変えた結果、猫が気に入ったフードがあったのにそれを飼い主さんが気付けないケースです。
猫からしたら「美味しかったあのご飯、また出てこないかな?」と思いながら、渋々フードを口にしているのかもしれません。
その結果、食いつきが悪くなっているということも考えられます。
やはり愛猫の嗜好の把握は飼い主さんの責務です。
猫が食事する様子をしっかりと見守ってあげてください。
偏食や食べ飽きが原因の場合の対処法は?
まず簡単にできることは、食事環境を変えてあげること。
猫はあまり広い場所でゆっくり食事をする動物ではありません。
少し閉塞感のある場所や、暗いところに食事場所を変えてみてください。
そのほかにも、いつもと違う食器でフードをあげて、気分を変えてみる方法もいいかもしれません。
また、ドライフードでも電子レンジで少し温めてあげると、ふわりと香りが立ち上ります。
嗅覚から食欲を刺激されて、フードの食いつきがよくなるかもしれません。
猫がご飯を食べない原因②環境の変化によるストレス
個体差はありますが、猫は綺麗好きでデリケートな生き物です。
フードそのものが原因じゃないときのご飯を食べない理由は、ストレスによるものかもしれません。
例えば新しい住居に引っ越したり、新しい猫をお迎えしたりと環境の変化でも食欲に影響を及ぼします。
ネオフィリアとネオフォビア
猫の気まぐれな習性を表す言葉にぴったりな「ネオフィリア」と「ネオフォビア」。
もしかすると聞き慣れない言葉かもしれません。
「ネオフィリア」とは新しい物を好む好奇心旺盛な特性のことで、反対に「ネオフォビア」とは新しい食べ物に対して口にしない、新奇恐怖症のことを指します。
新しいご飯に興味を示す反面、警戒心も忘れない猫の食べ飽きを解消するには、食感や味や風味などを、違うフードを少しずつ変えていき、新しい食事に興味を持ってもらうことも大切です。
環境の変化によるストレスが原因の場合の対処法は?
引っ越しなどで新しい環境に変わったときに食欲が落ちることはよくあること。
人間だって知らない場所や人の前でリラックスして食事を摂ることは難しいですよね。
ましてや警戒心が強い猫ならなおのことです。
食欲が湧いてくるのはリラックスした状態が一番です。
まずは愛猫にとって一番信頼している飼い主さんが優しく接して、「ここは安全な場所なんだよ」と教えてあげてください。
猫が新しい環境に慣れ始めれば、食欲もきっと戻るはずです。
猫がご飯を食べない原因③病気のサイン
いろいろな工夫や気を回して、それでも食欲が戻らないときは体調の悪化を疑いましょう。
鼻水が出ていないか、便の硬さはいつも通りか、元気がなくずっと寝ていないかなど、注意深く観察することが必要です。
動物病院を受診する目安は?
一食食べなかったくらいなら、猫のそのときの気分によっては十分あり得ることです。
ですがこれが続くと、病気や体調不良のことを考えなければいけません。
病院へ連れていく目安は下記の通り。
生後1〜2ヶ月の幼猫:8時間以上
3〜4ヶ月の子猫:16時間以上
1歳以上の成猫:24時間以上
これだけ時間が経っても食事をしていなかったら、病気や体調異変による食欲不振の可能性があります。
病気が原因の場合の対処法は?
長い時間食事を取らずにいると、内臓に障害を与え、重い病気を引き起こす原因にもなりかねません。
愛猫が一番好物な食事を、使い慣れたお皿や器を綺麗に洗って余分な匂いを落として少量盛り付け、優しくあやしながら口もとに近づけてあげてください。
それでも反応を示さないで一日以上経過するようなら、迷わずかかりつけの動物病院へ連れて行ってください。
「病気」か「わがまま」かを見極めることが大事
今では私たちにとって身近な存在と言える猫ですが、もともとは野生の種を人の手で改良した愛玩動物です。
気まぐれなところは猫の魅力のひとつですが、食事のことになると別問題です。
食事は動物の生死に関わる大切なこと。
食欲が落ちたのが、食べ飽きたからなのか、それとも体調不良からなのか、いつも側にいる飼い主さんがしっかりと見極めてあげることが大切です。
食事は猫にとっても人間にとっても、生きていく上で大切で楽しい行事のひとつです。
嗜好をしっかりと把握して、愛猫が喜ぶ食事をあげてくださいね。