「猫はトイレを自然に覚える生き物」
「キレイ好きだからトイレでしか用を足さない」
皆さん、こんな風な常識をお持ちではないでしょうか?
今回は、猫が粗相してしまう原因と対策、トイレをしつける方法についてご紹介していきます。
子猫のトイレトレーニングや、突然粗相をするようになってしまったという方はぜひ参考にしてみてくださいね。
トイレトレーニングのやり方
それでは、まずはトイレトレーニングについてご紹介していきます。
トイレトレーニングは、子猫が自力で排泄できるようになる生後3週間位からスタートします。
通常であれば猫は早ければ1回で、遅くても1週間程度でトイレを覚えてくれます。
トイレトレーニングのコツは、排泄したそうなサインを見逃さずトイレに連れて行ってあげることです。
注意すべきサインは、
・ソワソワして落ち着きがない
・床のにおいを嗅ぐ
・床をかいて何かを掘るようなしぐさをする
の3つです。このサインを見かけたらそっと抱っこしてトイレに誘導してあげてください。
しばらく続けていると自分からトイレへ行くようになります。
始めのうちは失敗することもありますが、根気よく優しく教えてあげてくださいね。
最初のうちはトイレを”におい”で覚えさせるのがコツです。
例えば、飼い主さんの手でトイレに誘導して無事に排泄できたあと、トイレをすぐに片づけずにおしっこなどで汚れた状態を少しだけ残しておくと、自分のにおいで「ここがトイレなんだ」と認識するようになります。
我が家では譲ってもらう前に元の飼い主さんから使用済み猫砂を少し分けてもらい、それを自宅のトイレに数日置いておくという方法で、1回で覚えてくれました。
もしトイレ以外の場所で粗相してしまった場合は、拭いたティッシュや雑巾などを一時的にトイレへ置いておくのも良いですね。
粗相してしまった時の対処
次にご紹介するのは、粗相してしまった時の対処法です。
一番大切なのは、粗相しても絶対に叱らないということ。
トイレを失敗して怒ったとしても、猫はそれに対して怒られているということを理解できません。
むやみに怒ってしまうことで、排泄することが悪いと勘違いしてしまい我慢してしまうことも。
我慢した結果病気になってしまったり、隠れた場所で排泄してしまう恐れもあります。
叱ってもいい結果にはならないので、優しく教えてあげましょう。
粗相してしまった後の対処としては、粗相してしまった場所の掃除をして臭いを消すことが重要です。
先にトイレトレーニングの項でお話ししたように、猫は自分のにおいがあるとそこをトイレと勘違いしてしまうかもしれません。
なるべくにおいが残らないようにペット用の消臭剤を使うなどして対処しましょう。
もし何度も同じ場所で粗相してしまうようであれば、その場所にトイレを設置するのも一案です。
粗相してしまう原因とその対策
そもそも今までトイレのしつけができていた猫が急に粗相してしまう原因はなんなのでしょうか。
マーキングや病気の可能性ではない場合は、トイレ環境に不満があるせいかもしれません。
ここからは、トイレ環境の見直しと改善に焦点を当ててご紹介していきます。
トイレを置く場所
まずは「トイレの設置場所」です。
トイレの設置場所は、リビングなどの人がいることが多い場所ではなく、静かな場所にしましょう。
また、風通しが悪い場所に置くと臭いがこもり、その臭いを嫌がって猫がトイレに近づかなくなるというケースもあります。
さらに、上記2点を満たしながら飼い主の目が届く場所があればもっと良いですね。
おすすめの設置場所は?
洗面所は静かで普段は電気を消してあることが多く薄暗い環境が◎。換気扇や小窓があれば空気の入れ替えもできます。
さらに床に防水素材を使用している場合が多いので、万が一粗相してしまってもお掃除が楽というメリットがあります。
ただし、洗濯機などの音を怖がる猫もいるので、様子を見つつ試してみて下さい。
好ましくない設置場所は?
逆にあまりおすすめできない設置場所は、下記3つ。
①リビング
人がいることが多いリビングは落ち着く環境とは言いづらいですね。また、来客があった時にトイレを我慢してしまう猫がいるということや、飼い主としても気にしてしまうという点から
あまりおすすめはできません。
②ご飯やベッドの近く
猫はキレイ好きなので、食事をしたり寝る場所にトイレがあるのを嫌がります。
人間でも嫌ですよね。なるべくこれらとは離れた場所に設置してあげましょう。
③玄関
玄関はお掃除の観点からすると設置場所には良いのですが、リビングと同じく人の行き来が頻繁な場所は設置場所には不向きでしょう。
トイレの種類
次にトイレの種類について。トイレには大きく3つのタイプがあります。
①オーソドックスな箱型
②屋根付きのドーム型
③引き出し付きのシステムトイレ(屋根あり・なし)
特に注意したいのは②③の屋根付きかそうでないか。
ドーム型のトイレは、猫砂の飛び散り防止やおしっこやウンチの臭いを抑えるためにも効果的です。
人の目を避けて排泄ができるので落ち着く場所を好む猫にとっても良いはずですが、逆に閉じられた空間を窮屈に感じてしまう子もいます。
猫砂の種類
猫砂の種類は様々ですが、ここでは代表的なものを3つご紹介します。
①ベントナイト
ベントナイトの猫砂はベントナイト鉱石が原料で、水を含むと膨らむ性質があります。
メリットはしっかりと固まること。また、値段が安くコスパが高い傾向にあります。
デメリットは自治体によっては燃えるゴミで処理ができないことと、重たいので買い出しやごみ捨ての際に持ち運びするのが少し辛いという点です。
②紙(再生パルプ)タイプ
紙タイプの猫砂は、トイレに流すことができるものが多いです。よくトイレに流せる猫砂が売っていますが、あれの殆どが紙タイプです。
軽いので持ち運びも楽ですが、逆に軽すぎて猫が砂をかく時に飛び散りやすいというデメリットも。
③木材タイプ(おがくずやチップ)
木材タイプは種類によって固まるものと固まらないものがあります。
消臭効果が高く、燃えるごみとして出せるので後処理も楽です。
固まる木材タイプの猫砂の場合、ベントナイトと比べると固まりが悪く散らばりやすいです。
その他、おからやシリカゲルなど本当に豊富な種類が販売されています。
また、種類だけでなく粒の大きさや踏み心地などによっても猫の好みがあるので、色々と試してみる必要がありますね。
トイレの変化は徐々に&慎重に!
ここまで読んでいただいた方は、
「トイレの置き場所を変えてみようかな」
「猫砂を変えてみようかな」
と考えているかもしれません。
しかし、そこで注意なのが、急に色々と変えてしまわないこと!
猫は環境の変化に敏感な生き物。ストレスにならない範囲で試していくのが大切です。
トイレの粗相は、猫が原因の場合もありますが飼い主である私たちの配慮によって改善できることも多いです。しっかりと猫を見守りながらベストな環境を見つけてあげましょう。
それでも改善しない場合は、獣医さんに相談してみてくださいね。