猫のトイレに関するこだわりは、なかなかのもの。
猫はきれい好きな性質で、トイレも一度「ここ!」と場所を決めたら、滅多なことがない限り自分からその習慣を変えようとはしません。
プロの動物トレーナーでさえ、猫のトイレの切り替えは2ヶ月程度の時間がかかるなんて耳にすることも。
では飼い主さんは一体どうすればトイレの切り替えが上手くできるでしょうか?
切替のコツ①場所を移動しすぎない
慣れ親しんだトイレから新しいトイレに切り替えるときに、最も注意すべきことは「焦らないこと」です。
ゆっくりと時間をかけて徐々に慣らしていき、新しいトイレに切り替えることが大切なポイント。
まずは新しいトイレを、今までのトイレと同じ場所に置いてみましょう。
猫の今までの排泄の場所を変えないことが重要になります。
「設置場所は変えていないのに新しいトイレを使ってくれない」
なんてこともよく耳にしますが、その場合も焦らずじっくりと切り替えることが大切。
この場合、古いトイレを元の場所に戻して、新しいトイレをその隣に置いてみましょう。
最初のうちは、使い慣れたいつものトイレを当たり前のように使うでしょう。
その際、古いトイレはなるべく掃除をしないで、そのままにしておきます。
きれい好きな猫の習性を利用するのです。
猫には少しかわいそうですが、ここは心を鬼にして見守りましょう。
猫は汚いトイレで用を足すよりは、新しいトイレを少しずつ使うようになると思います。
その時が切り替えチャンス。
古いトイレはすぐに撤去して、新しいトイレだけを残しましょう。
切替のコツ②においを消さない
トイレの切り替えは本当に難しいもの。
猫の習性をうまく理解しなければ、いつまでたっても新しいトイレを使ってくれません。
そのための工夫のひとつに、新しいトイレに今まで使っていたトイレの砂を混ぜる方法があります。
自分の臭いのついた砂を混ぜることで、猫が安心して新しいトイレを使いやすくなります。
新たに猫をお迎えするときにも有効な手段です。
切替のコツ③猫砂を一気に切り替えない
トイレ本体だけではなく、新しい猫砂に変えるときにも注意が必要です。
一気に新しい猫砂に変えず、ここでも時間をかけて徐々に変えていきましょう。
最初はいつもの猫砂8割、新しいトイレ猫2割くらいの割合で混ぜていきます。
日を追うごとに新しい猫砂の割合を増やしていき、新しい猫砂に慣れる手助けをしてあげましょう。
カバーなしからカバーありへの切り替えで注意すべきことは?
カバーの付いてないタイプのトイレから、カバー付きタイプのトイレに切り替えるときも、焦らずゆっくりと慣れさせましょう。
理想はできる限り古いトイレの形状に近づけてあげること。
カバーは丸ごと取り外せるならタイプなら、まずはカバーを取り外して新しいトイレに慣れさせてからカバーを付けてあげましょう。
扉が開閉式のカバータイプなら、扉を開けっ放しにするのも一つの手段です。
猫は野生の名残からとてもきれい好きな動物で、狭い場所を好みます。
カバー付きのトイレの切り替えは比較的スムーズにいくかもしれません。
ただ猫にもそれぞれ性格や好みがあります。
カバーを嫌がる子もいますので、その場合は無理にトイレを変えることはやめましょう。
一般的なトイレからシステムトイレへの切り替えで注意すべきことは?
こまめに掃除を必要とする従来のトイレと違って、週一回程度のお手入れで済む猫用のシステムトイレはおすすめです。
システムトイレは日中が仕事で忙しい一人暮らしの方などに重宝され、従来のトイレよりも臭いも少ない優れもの。
その形状もオープンタイプのものから猫をすっぽりと覆うドームタイプのものまでさまざまです。
トイレ交換の基本は同じなのですが、システムトイレはスノコ状になっているので、トイレ砂やウッドチップの粒が従来のものより大き目に作られているものもあります。
今まで通常のトイレ砂に慣れてきた猫が、その大きさに違和感を感じ、システムトイレを使ってくれないこともあるようです。
また、消耗品となるシステムトイレの砂やウッドチップやシートなどは少々値段がお高めです。
システムトイレへの切り替えは、愛猫の性格を見極めて、よく考えてから行なってください。
トイレの移行は”根気よく慎重に”
猫のトイレのしつけやトイレの切り替えは本当に大変な作業。
新しいトイレを設置した後にも、注意深く観察することも必要です。
新しいトイレを使いたくなくて長時間トイレを我慢したりしていると、猫もストレスを感じますし、膀胱炎などの病気を誘発する恐れもあります。
新しいトイレのまわりでウロウロしたり、トイレじゃない場所で用を足してしまうようなら、すぐに古いトイレに戻してあげましょう。
飼い主さんが根気よくゆっくりと時間をかけて、新しいトイレにリードしてあげてくださいね。