完全室内飼いの猫との暮らしで一番心配なのは、屋外への脱走です。
お迎え時から室内で飼育していれば、猫は室内を「なわばり」と認識して自ら外に出ようとする子は少ないですが、大きな音に驚いたり、驚いて部屋を飛び出してしまいそのまま迷子になってしまう子もいます。
そんなときに役立つのが猫の身元を確かめられるマイクロチップ。
無事に保護されればマイクロチップの情報から、飼い主さんが分かります。
今回はそんなマイクロチップの有効性について考えてみましょう。
マイクロチップの義務化について
2019年6月に「動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律」が成立されました。
そしていよいよ2022年6月から、犬や猫に対して飼い主情報を登録したマイクロチップの装着が義務化されます。
この義務化には、迷子になって保護された犬や猫を、無事に飼い主さんの元へ送り届けるのはもちろんのこと、ペットを簡単に捨ててしまう心ない行為の抑制にも大いに役立つことかと思います。
マイクロチップの義務化の対象は、ペットショップなどの販売店やブリーダーです。
ですので2022年6月以降にペットショップなどからお迎えする猫は、すでにマイクロチップが装着された状態ということになります。
現在すでにお家で飼育している猫に関しては「努力義務」という形となり、必ずマイクロチップを装着しなければいけないわけではありません。
マイクロチップのメリット
マイクロチップ装着の最大のメリットは、飼い主と離れ離れになったときにその身元が確認できることでしょう。
大規模災害や事故などで飼い主と離れ離れになってしまっても、マイクロチップの情報から飼い主を探し出すことが容易になります。
マイクロチップの耐久年数は30年とも言われていて、電池などの動力を必要としません。
ですので一度装着してしまえば、ほぼ生涯、交換の必要はありません。
また保険会社によっては「マイクロチップ装着特約」など、マイクロチップを装着していればペット保険の掛け金が割り引かれるものもあります。
マイクロチップのデメリット
マイクロチップは装着時に住所や連絡先などのデータを登録しますが、登録情報に変更があれば当然更新が必要となります。
うっかり忘れてしまうと、せっかくのマイクロチップが台無しになってしまいます。
また、拒否反応やマイクロチップ自体の破損事故もないとは言い切れません。
GPS機能もついていないので、迷子の猫がどこにいるかなどの情報は分かりません。
またマイクロチップから情報を読み取るのには専用のリーダーが必要となりますので、リーダーがなければその情報は分かりません。
ただそれでも、デメリットと比べてみても、もしものことを考えたらメリットのほうが大きいと言えるでしょう。
マイクロチップの装着方法
マイクロチップは直径約2mm、長さ約10mmの大きさで生体適合ガラスでできた筒状のものです。
それを注射器のような専用のインジェクターを使って皮下に埋め込みます。
とても短時間で埋め込むことができるので、麻酔などの必要もありません。
マイクロチップは専用のリーダーで読み取ることができ、15桁の識別番号によって環境省のデータベースに登録された情報から、飼い主の情報や猫の名前、獣医師の情報、マイクロチップを埋め込んだ日付など、実にたくさんの情報を知ることができます。
マイクロチップ装着にかかる費用
マイクロチップの埋め込みは医療行為となりますので、動物病院で行なってもらいます。
病院によってその費用に差はありますが、だいたい数千円〜一万円くらいが相場です。
その他にマイクロチップの識別番号登録料として1,000円が必要となります。
まとめ
かわいい愛猫にマイクロチップを埋め込むのは、多少なりと心が痛むかもしれません。
ですが急な事故や災害で愛猫と離れ離れになり、もう二度と会えなくなることを考えれば、マイクロチップはとても飼い主を特定するのにとても有効なものなのです。
猫は自分の大好きな飼い主を頭に思い浮かべることはできても、それを語ることはできません。
もしものときのことも考えて、マイクロチップの装着を前向きに検討してはいかがでしょうか。